〔事例〕
Eさん(34歳、女性、障害支援区分3)は、特別支援学校の高等部を卒業後、週2回、生活介護を利用しながら自宅で生活している。
Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(cerebral palsy)で不随意運動があり、首を振る動作が見られる。
食事は首の動きに合わせて、自助具を使って食べている。
食事中は不随意運動が強く、食事が終わると、「首が痛い、しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。
また、お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。
日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて、お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。
Eさんは、生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。
以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。
そこでEさんは、「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
Eさんがお茶を飲むときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
アテトーゼ型脳性麻痺の人がお茶を飲むときの支援を問う事例問題です。
Eさんは「コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれる」ようになってきました。
また、「自分のことは自分でやりたい」と考えており、上手に飲めなくなったことを気にしています。
【選択肢別解説】
1:× 吸い飲みは、主に寝た姿勢の人に介助者が飲ませるときに使う用具です。
Eさんが自分で飲むという希望に合いません。
2:○ ストローつきコップを使えば、コップを持ち上げて口元まで運ぶ必要がありません。
こぼすことが減り、Eさんが自分の力でお茶を飲み続けられます。
3:× 重いコップは、持ち上げて口元に運ぶのに大きな力が必要です。
首や腕への負担が増え、こぼれることも防げません。
4:× 両手で持っても、不随意運動があれば口元に運ぶまでの揺れは抑えきれません。
こぼれる問題は解決しません。
5:× 全介助にすると、Eさんが自分でできることまで奪ってしまいます。
「自分のことは自分でやりたい」という思いを尊重していません。
【ポイント】
自助具は、本人の残っている力を生かし、自分でできることを増やすために使います。
本人の思いを尊重しながら、動作の難しい部分だけを道具で補う視点が大切です。