Aさん(75歳、女性)は、3か月前に、血管性認知症(vascular dementia)を発症し、軽度の左片麻痺で杖歩行となり、要介護3と認定された。
Aさんは、料理が大好きで、娘と一緒に食事を作ることを楽しみに生活していた。
1か月前から認知症(dementia)が進行し、ユニット型介護老人福祉施設に入所した。
Aさんは夕方になると、「ご飯の支度をしないといけないから帰ります」と言いながら、興奮して歩き回る様子がみられるようになった。
Aさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
Aさんは料理が大好きで、娘と一緒に食事を作ることを楽しみにしてきました。
夕方になると「ご飯の支度をしないといけないから帰ります」と言って歩き回っています。
この言葉から、Aさんにとって食事の支度が大切な役割であったことが読み取れます。
【選択肢別解説】
1:× 居室に鍵をかけて閉じ込めることは、行動を制限する身体拘束にあたります。
不安や興奮をさらに強めることにもなります。
2:○ 介護福祉職と一緒に夕食の準備をすることで、「ご飯の支度をしたい」というAさんの思いに応えられます。
役割を果たせる安心感から、落ち着いて過ごせることが期待できます。
3:× 杖を取り上げて低い椅子に座らせるのは、立ち上がれないようにする身体拘束にあたります。
軽度の片麻痺があるAさんの転倒の危険も高めます。
4:× 薬の服用は医師の指示によるもので、介護福祉職が判断することはできません。
行動を抑える目的での向精神薬の過剰な使用も身体拘束にあたります。
5:× 施設を自宅だと説得すると、Aさんの気持ちを否定することになり、混乱や興奮を強めるおそれがあります。
【ポイント】
夕方に「帰る」と訴えて落ち着かなくなる状態は、夕暮れ症候群とも呼ばれます。
訴えの背景にある生活歴や役割に着目し、その人らしい活動につなげることが大切です。