Aさん(80歳、男性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)が進行している。
ある日の昼食時、介護福祉職がAさんに配膳すると、「お金はこれしかありません。足りますか」と小さくたたまれたティッシュペーパーを渡してきた。
このときのAさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
ティッシュペーパーは、口の周りが汚れたら拭くものだと伝える。 ティッシュペーパーが不足しているサインとして受け止める。 飲食店での会計の場面であると認識して対応する。 食事に集中するように促す。 小遣いの増額を家族に相談する。 購入状況を確認しています… 正答 3
解説 正解は3です。
アルツハイマー型認知症が進行しているAさんは、配膳されたときに「お金はこれしかありません。足りますか」とティッシュペーパーを渡してきました。
Aさんは今、食事を前にして、お店で代金を払う場面にいると感じていると考えられます。
【選択肢別解説】
1:× ティッシュペーパーの本来の使い方を説明するのは、Aさんの体験している世界を否定することになります。
混乱や不安を強めるおそれがあります。
2:× Aさんの言葉は、ティッシュペーパーの不足を訴えたものではありません。
言葉の意味を取り違えた対応です。
3:○ Aさんが飲食店で会計をしている場面にいると受け止め、「ちょうどいただきます」などと応じることで、Aさんは安心して食事に向かえます。
本人が体験している世界を尊重する対応です。
4:× 食事に集中するよう促すだけでは、「足りますか」というAさんの不安を受け止めていません。
5:× 小遣いの増額は、Aさんの言葉の意味を取り違えています。
家族に相談する必要のある場面ではありません。
【ポイント】
認知症の人の言動は、本人が体験している世界の中では筋が通っていることが多いです。
訂正や説得をせず、その世界に合わせて対応すると安心につながります。