〔事例〕
Aさん(70歳、男性)は、妻と二人で暮らしている。
旅行や釣りが趣味で、会社員として勤務していたころは、活動的な生活を送っていた。
66歳のときにパーキンソン病(Parkinson disease)と診断されたが、内服治療が開始され、症状はあまり気にならなかった。
1年前から顔の表情が乏しくなり、歩行開始時に、はじめの一歩が出にくくなった。
3か月前からは、歩き始めると方向転換が難しく、急に止まることができないことがある。
Aさんは、今後の生活について相談するために、地域包括支援センターに行った。
センターで対応してくれたB主任介護支援専門員は、介護福祉士としての実務経験が豊富だった。
Aさんは信頼して、気になっていたことをすべて話すことができた。
Aさんは、要介護認定を申請することを勧められ、後日、市役所に行き、要介護認定の申請を行った。
現在のAさんの症状に該当するホーエン・ヤール重症度分類として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
ホーエン・ヤール重症度分類は、パーキンソン病の進行の程度をステージⅠ〜Ⅴで示すものです。
Aさんには、表情が乏しい、はじめの一歩が出にくい、方向転換が難しい、急に止まれないといった症状があります。
一方で、自分で地域包括支援センターや市役所に出向くことができています。
【選択肢別解説】
1:× ステージⅠは、症状が身体の片側だけにみられる段階です。
Aさんの症状はそれより進んでいます。
2:× ステージⅡは、症状が両側にみられるものの、姿勢反射障害はない段階です。
Aさんには方向転換が難しく急に止まれないという姿勢反射障害があります。
3:○ ステージⅢは、姿勢反射障害がみられ始めるものの、日常生活はおおむね自立している段階です。
急に止まれないなどの症状がありながら、自分で外出して手続きができるAさんに当てはまります。
4:× ステージⅣは、日常生活の動作に一部介助が必要になり、起立や歩行がかろうじて可能な段階です。
Aさんはまだ自立して外出できています。
5:× ステージⅤは、車いすでの生活や寝たきりとなり、全面的な介助が必要な段階です。
Aさんには当てはまりません。
【ポイント】
姿勢反射障害(方向転換が難しい、急に止まれない、突進するなど)が現れるとステージⅢです。
すくみ足(はじめの一歩が出にくい)もパーキンソン病の特徴的な症状です。