〔事例〕
Aさん(66歳、女性)は、一人息子と二人で暮らしている。
会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。
半年前に、長年勤めた仕事を定年退職して、継続雇用で週2日の勤務になった。
その頃から不眠を訴え、疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。
しばらくすると、睡眠中に大声をあげたり、息子の部屋までふらふらと歩いてきたり、自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。
近隣の大学病院を受診した結果、手足の震え、小刻みな歩行、顔のこわばりなどがみられ、レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。
Aさんは、趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し、これからの生活を楽しみたいと考えて、仕事を辞めた。
そして、安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。
Aさんは要支援2の認定を受けて、介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。
Aさんの手足の震えは、ある体内物質の影響によって生じている。
次のうち、その体内物質に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
レビー小体型認知症でみられるパーキンソン症状の原因となる体内物質を問う問題です。
事例のAさんには、「手足の震え、小刻みな歩行、顔のこわばり」などのパーキンソン症状がみられます。
【選択肢別解説】
1:× メラトニンは、松果体から分泌され、睡眠と覚醒のリズムを調整するホルモンです。
手足の震えの原因となる物質ではありません。
2:○ レビー小体型認知症では、脳の黒質などにレビー小体がたまり、ドーパミンをつくる神経細胞が減ります。
ドーパミンが不足すると、手足の震えや筋肉のこわばりなどのパーキンソン症状が現れます。
3:× アドレナリンは、副腎髄質から分泌され、心拍数や血圧を上げるホルモンです。
ストレスや緊張への反応に関わりますが、パーキンソン症状の原因ではありません。
4:× コルチゾールは、副腎皮質から分泌され、ストレスへの対応や血糖の調節に関わるホルモンです。
パーキンソン症状の原因ではありません。
5:× グルカゴンは、膵臓から分泌され、血糖値を上げるホルモンです。
パーキンソン症状の原因ではありません。
【ポイント】
パーキンソン病やレビー小体型認知症のパーキンソン症状は、ドーパミンの不足によって起こります。
主な症状は「振戦(震え)」「筋固縮」「無動・寡動」「姿勢反射障害」です。