〔事例〕
Aさん(66歳、女性)は、一人息子と二人で暮らしている。
会社の趣味サークルや地域活動に熱心に参加してきた。
半年前に、長年勤めた仕事を定年退職して、継続雇用で週2日の勤務になった。
その頃から不眠を訴え、疲れやすく気持ちが落ち込む日が増えてきた。
しばらくすると、睡眠中に大声をあげたり、息子の部屋までふらふらと歩いてきたり、自室のカーテンの花柄が動いて怖いと話したりするようになった。
近隣の大学病院を受診した結果、手足の震え、小刻みな歩行、顔のこわばりなどがみられ、レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の診断を受けた。
Aさんは、趣味活動や自宅で息子と過ごすことを優先し、これからの生活を楽しみたいと考えて、仕事を辞めた。
そして、安全に歩く力を維持するために介護サービスを活用しようと考えた。
Aさんは要支援2の認定を受けて、介護予防通所リハビリテーションの利用を始めた。
ある日、送迎のときに、介護予防通所リハビリテーション事業所のB介護福祉職は、息子から、日々の症状に変動がある母を自宅で介護をするときにどのようなことに注意すべきか、と聞かれた。
B介護福祉職は事業所で多職種ミーティングを行ってから返答することにした。
次の記述のうち、B介護福祉職の息子への助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答1
解説
正解は1です。
レビー小体型認知症の人を自宅で介護する家族への助言を問う問題です。
事例のAさんは、「自室のカーテンの花柄が動いて怖い」と話しており、模様が動いて見える幻視や錯視があります。
また、パーキンソン症状や、日によって状態が変わる症状の変動もあります。
【選択肢別解説】
1:○ 花柄などの模様は、幻視や錯視のきっかけになりやすいものです。
カーテンを無地のものに変えると、怖さの原因となる視覚的な刺激を減らせます。
2:× レビー小体型認知症では、日によって、また時間によって状態が大きく変動します。
毎日決まった時間に同じ運動をするのではなく、その日の状態に合わせて運動の内容や量を調整します。
3:× 外出の機会を減らすと、活動量が減って心身の機能が低下し、Aさんの楽しみも奪います。
Aさんは趣味活動を楽しみたいと考えているので、安全に配慮しながら外出を続けられるよう支援します。
4:× 直接照明のまぶしい光は、影や反射を強くし、見間違いの原因になることがあります。
夜間は間接照明や足元灯を用い、睡眠を妨げない明るさにします。
5:× パーキンソン症状で手指の動きが不自由になると、ボタン止めは難しくなります。
着脱しやすくするには、面ファスナーを使った衣服やかぶりの衣服などを選びます。
【ポイント】
レビー小体型認知症の人の環境づくりでは、「幻視のきっかけになる模様や影を減らす」「起立性低血圧や小刻み歩行による転倒を防ぐ」「症状の変動に合わせて柔軟に対応する」が大切です。