マンションの区分所有者A(以下、本問において「A」 という。) が、その専有部分をBに賃貸している場合に、Bの賃料の支払いに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正答1
解説
正解は1。
賃料債務の第三者弁済、差押え後の弁済、弁済の提供(口頭の提供)、供託という「弁済」の基本ルールの問題です。
【選択肢別解説】
1:× 出題当時の民法では、債務者の意思に反して弁済できないのは「利害関係を有しない第三者」に限られていました。
CがBとの間に利害関係を有しているなら、Bが反対の意思を表示していてもBに代わって賃料を支払うことができます。
「たとえ利害関係を有していても支払えない」は誤りです。
根拠:旧民法474条2項。
※現行法では「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者」は債務者の意思に反して弁済できない、という表現に改められています。
2:○ 差押えを受けた第三債務者が自己の債権者に弁済したときは、差押債権者は、その受けた損害の限度において更に弁済をすべき旨を第三債務者に請求できます。
根拠:民法481条1項。
3:○ 債権者があらかじめ受領を拒んだときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足ります(口頭の提供)。
弁済の提供をすれば、債務不履行によって生ずべき一切の責任を免れます。
根拠:民法493条ただし書、492条。
4:○ 債権者が弁済の受領を拒むときは、弁済者は債権者のために弁済の目的物を供託して債務を免れることができます。
根拠:民法494条。
【ポイント】
利害関係のある第三者は債務者の意思に反しても弁済できる、というのが第三者弁済の基本です。
「あらかじめ受領拒絶→口頭の提供で足りる」「受領拒否→供託」の流れも頻出です。