マンション管理業者A(以下、本問において「A」 という。) が、管理組合から管理事務を受託する際に、マンション管理適正化法第72条の規定に基づく重要事項の説明を行う場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定に違反するものはどれか。
正答3
解説
正解は3。
マンション管理適正化法72条の重要事項説明について、5戸以下の管理組合の特例、同一条件での更新(契約期間の短縮)、暫定契約から通常の契約への移行、書面への記名押印者を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○(違反しない) 人の居住の用に供する独立部分が5以下である管理組合から委託を受けて行う管理事務については、事務所を代表する者又はこれに準ずる地位にある者が、管理業務主任者に代えて重要事項の説明等を行うことができます(マンション管理適正化法78条、56条1項ただし書)。
2:○(違反しない) 従前の管理受託契約と同一の条件で更新しようとするときは、区分所有者等全員に重要事項を記載した書面を交付すれば足り、説明会の開催は不要です(同法72条2項)。
管理者等が置かれていない場合は、書面交付のみで足ります(同条3項は管理者等が置かれている場合の説明義務)。
国土交通省の通知により、契約期間を短縮する変更は「同一の条件」に含まれるとされており、3月間に短縮した暫定契約も同一条件での更新として扱えます。
3:×(違反する) 暫定契約(3月間)から契約期間1年間の管理受託契約に切り替えることは、直前の契約(暫定契約)と比べて契約期間を「延長」するものであり、「同一の条件での更新」には当たりません。
したがって新規契約と同様に、説明会を開催して管理業務主任者に重要事項を説明させる必要があり(同法72条1項)、書面の交付のみで説明会を開催しないことは違反となります。
4:○(違反しない) 重要事項を記載した書面には管理業務主任者が記名押印しなければなりませんが(同法72条5項)、その管理業務主任者は「専任」である必要はありません。
※現行法(2021年9月施行のデジタル改革関連法による改正)では、重要事項説明書への管理業務主任者の「記名押印」は「記名」に改められています。
【ポイント】
「同一の条件」には契約期間の短縮や、管理事務の内容を変えない委託業務費の減額が含まれますが、期間の延長は含まれません。
同一条件の更新なら「全員に書面交付+管理者等に管理業務主任者が説明」、それ以外は「説明会の開催」が必要です。