正答1
解説
正解は1。
同時履行の抗弁権が認められるかどうかを、判例の結論ごとに問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 判例は、売買契約が詐欺を理由に取り消された場合、当事者双方の原状回復義務は同時履行の関係に立つとしています(最判昭和47年9月7日、民法533条の類推適用)。
「同時履行の関係に立たない」とする点が誤りです。
2:○ 敷金返還債務は、賃貸借終了後、建物明渡しが完了した時に発生するため、明渡債務が先履行となります。
判例も、特別の約定のない限り、敷金返還と建物明渡しは同時履行の関係に立たないとしています(最判昭和49年9月2日)。
※現行法では、敷金は賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたときに返還すべきことが民法622条の2で明文化されています。
3:○ 借地権者が建物買取請求権を行使すると建物について売買契約が成立したのと同じ効果が生じ、建物代金債務と建物の引渡し(及び敷地の明渡し)は同時履行の関係に立つとされています。
4:○ 抵当権設定登記の抹消義務より、被担保債務の弁済が先履行となります(最判昭和57年1月19日)。
したがって両者は同時履行の関係に立ちません。
【ポイント】
「弁済が先・明渡しが先」になるのが、抵当権登記抹消と敷金返還の2つです。
取消し・解除による原状回復義務や建物買取請求権の代金と明渡しは同時履行、と対比して覚えましょう。