Aが、自己の所有するマンションの一住戸甲を B に売却する契約の締結について、Cに代理権を授与した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も不適切なものはどれか。
正答3
解説
正解は3。
代理人の行為能力、代理権の濫用、無権代理の相手方の催告、任意代理人の復代理人選任を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができません(民法102条本文)。
本人が自ら制限行為能力者を代理人に選んだ以上、そのリスクは本人が負うという考え方です。
2:○ 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は代理権を有しない者がした行為とみなされます(代理権の濫用、民法107条)。
3:× Dは代理権のない無権代理人です。
無権代理の相手方は本人に対し相当の期間を定めて追認するかどうかを確答するよう催告できますが、本人がその期間内に確答をしないときは「追認を拒絶したもの」とみなされます(民法114条)。
「追認をしたものとみなされる」のではありません。
4:○ 委任による代理人(任意代理人)は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができません(民法104条)。
【ポイント】
無権代理の催告に対する無回答は「追認拒絶」とみなされます。
制限行為能力者の相手方の催告(民法20条)では、単独で追認できる者への催告に無回答なら「追認」とみなされるなど結論が分かれるので、混同に注意しましょう。