53歳、男性。
胃全摘術を 7年前に受けている。
4週間前から、動悸、息切れ、舌の痛みを感じ、また、 1週間前からは、四肢のしびれ、歩行障害が出現した。
眼瞼結膜蒼白の所見あり。
血清鉄値、フェリチン値は正常であった。
この患者の臨床検査に関する記述である。
誤っているのはどれか。
1つ選べ。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った検査所見)です。
胃全摘から7年後に、貧血症状、舌の痛み(ハンター舌炎)、四肢のしびれと歩行障害が出ています。
血清鉄とフェリチンが正常なことから鉄欠乏性貧血は否定でき、内因子の欠如によるビタミンB12欠乏(巨赤芽球性貧血と亜急性連合性脊髄変性症)が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 血清ビタミンB12値の低下は、正しい所見です。
胃全摘で内因子が分泌されなくなり、ビタミンB12が吸収できなくなるためです。
2:× 平均赤血球容積(MCV)値の上昇は、正しい所見です。
DNA合成が障害されて大型の赤血球(巨赤芽球)ができ、大球性貧血になるためです。
3:○ 白血球数の上昇は、誤った所見です。
ビタミンB12欠乏では白血球の産生も障害されるため、白血球数は上昇ではなく低下します。
4:× 血小板数の低下は、正しい所見です。
赤血球・白血球・血小板がそろって減る汎血球減少がみられます。
5:× 血清間接ビリルビン値の上昇は、正しい所見です。
異常な赤血球が骨髄内で壊れる無効造血が起こるためで、LDHも上昇します。
【ポイント】
ビタミンB12は肝臓に数年分が蓄えられるため、胃全摘後の欠乏は術後5年前後から現れます。
しびれや歩行障害などの神経症状は、葉酸欠乏ではみられずビタミンB12欠乏に特徴的です。