K 保育所に勤務する管理栄養士である。
給食施設の衛生責任者である。
9月 15日 13時頃、複数の入所児童が次々に腹痛を訴え、下痢の症状も出てきた。
発熱はみられない。
直ちに職員が保健所と体調不良児の保護者に連絡するとともに、管理栄養士は保健所の立入検査に備え、必要な書類の用意を開始した。
検食を担当した職員の発症状況から、前日の昼食とおやつ、当日の昼食に、原因食品を絞り込み、摂取状況及び発症状況を調査した(表)。
表 給食の摂取状況と発症状況
提供時 料理名 摂取あり発症(人) 摂取あり未発症(人) 摂取なし発症(人) 摂取なし未発症(人)
9/14昼食 鶏肉ときのこのピカタ 14 27 0 9
9/14昼食 キャベツとコーンの煮浸し 12 30 2 6
9/14昼食 みそ汁 13 31 1 5
9/14おやつ 豆乳ドーナツ 11 29 3 7
9/15昼食 鮭とじゃが芋のクリーム煮 11 32 3 4
9/15昼食 かぼちゃのマリネサラダ 10 29 4 7
食中毒の原因として、考えられる微生物である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答3
解説
正解は3です。
食中毒の原因食品は、料理ごとに「食べた人の発症率」と「食べなかった人の発症率」を比べて推定します。
表の各料理について発症率を計算すると、原因食品と病原体が絞り込めます。
【計算】
鶏肉ときのこのピカタ:食べた人14÷41≒34%、食べなかった人0÷9=0%
キャベツとコーンの煮浸し:食べた人12÷42≒29%、食べなかった人2÷8=25%
みそ汁:食べた人13÷44≒30%、食べなかった人1÷6≒17%
豆乳ドーナツ:食べた人11÷40≒28%、食べなかった人3÷10=30%
鮭とじゃが芋のクリーム煮:食べた人11÷43≒26%、食べなかった人3÷7≒43%
かぼちゃのマリネサラダ:食べた人10÷39≒26%、食べなかった人4÷11≒36%
発症者14人全員がピカタを食べており、ピカタを食べなかった人からは発症者が出ていません。
【選択肢別解説】
1:× ウェルシュ菌は、カレーやシチューなど大量に加熱調理して室温で放置した料理が原因になりやすい菌です。
原因と推定されるのは前日の鶏肉のピカタであり、煮込み料理との関連は表からは認められません。
2:× 腸炎ビブリオ菌は、生の魚介類など海産物が主な原因となる菌です。
原因と推定される鶏肉料理とは結びつきません。
3:○ カンピロバクターは鶏肉に高い割合で付着している菌で、加熱不十分な鶏肉料理が主な原因です。
原因食品が鶏肉ときのこのピカタと推定されることから、最も適切です。
4:× 病原性大腸菌は、牛肉や汚染された野菜・水などさまざまな食品から感染します。
鶏肉料理との結びつきはカンピロバクターほど強くないため、最も適切とはいえません。
【ポイント】
原因食品の推定では、食べた人と食べなかった人の発症率の差に注目します。
鶏肉料理が原因ならカンピロバクター、加熱後に放置した煮込み料理ならウェルシュ菌を第一に考えます。