29歳、女性。
身長 155 cm、体重 26 kg、BMI 10.8 kg/m 2。
神経性やせ症と診断され、精神科に通院していた。
最近食事を全く摂らなくなり、動けなくなったため、救急搬送され入院となった。
この患者における入院中の栄養管理に関する記述である。
最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
正答5
解説
正解は5です。
本例は BMI 10.8 kg/m² と極度のやせで、最近は食事を全くとっていません。
このような患者に急に栄養を投与すると、リフィーディング症候群を起こす危険が非常に高くなります。
リフィーディング症候群では、細胞内への移動により血中のリン・カリウム・マグネシウムが急激に低下します。
【選択肢別解説】
1:× 経管栄養は禁忌ではありません。
経口摂取が難しい場合は、経管栄養で少量から安全に栄養を補給します。
2:× 2,000 kcal/日から開始すると、リフィーディング症候群を起こす危険が高くなります。
体重1 kg あたり5〜10 kcal 程度の少量から開始し、検査値を確認しながら段階的に増やします。
3:× 極度の低栄養状態であり、体たんぱく質の回復のためにたんぱく質は必要です。
たんぱく質を制限する理由はありません。
4:× 嗜好食品は、食べる意欲を引き出し経口摂取を進める助けになります。
一律に禁止するのではなく、本人の好みも活用します。
5:○ 栄養補給の開始後は、細胞内への移動により血清カリウム値が急激に低下するおそれがあります。
低カリウム血症は不整脈の原因になるため、血清カリウム値のモニタリングが必要です。
【ポイント】
リフィーディング症候群の最も特徴的な所見は低リン血症です。
高リスク例では、投与エネルギーを少量から始め、リン・カリウム・マグネシウム・ビタミンB1を補いながら増量します。