K クリニックに勤務する管理栄養士である。
大学 2年生の学生がクリニックを受診してきた。
学生は、20歳、女性。
中学生の時から新体操部に所属している。
審美系スポーツでは、体型が重要と考えており、食事摂取を常に控えるようにしてきた。
最近、普段の生活において、立ちくらみや息切れ等の症状がみられた。
鉄欠乏性貧血と診断され、鉄剤投与を受けた。
1日の食事内容は、表のとおりである。
身長 160 cm、体重 45 kg、BMI 17.6 kg/m 2。
表 1日の食事記録
朝食:おにぎり(1個)、コーンスープ、ヨーグルト
昼食:栄養飲料(ゼリータイプ)、サラダチキン、キャベツ千切り、ドレッシング
夕食:ご飯(100 g)、納豆、焼きのり、大根ひき肉あんかけ、りんごジュース
薬物治療により、症状は改善してきた。
この学生に栄養食事指導を行うことになった。
指導方針として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答1
解説
正解は1です。
対象者は新体操の選手で、体型を気にして食事を常に控えており、BMI 17.6 kg/m² のやせです。
食事は朝食がおにぎり1個とコーンスープ、ヨーグルト、昼食が栄養飲料とサラダチキン、キャベツ、夕食がご飯100 g と納豆などで、主食・主菜ともに少なくなっています。
運動量に比べて食事からのエネルギーが大きく不足した状態(利用可能エネルギー不足)が、貧血を含む体調不良の根本にあります。
【選択肢別解説】
1:○ 食事全体の量が少なく、練習による消費量に見合うエネルギーがとれていません。
エネルギー不足が続くと、摂取したたんぱく質もエネルギー源として使われてしまうため、まずエネルギー摂取量を増やすことが最も適切です。
2:× たんぱく質はサラダチキンや納豆、ヨーグルトなどからある程度とれています。
エネルギーが不足したままたんぱく質だけを増やしても、筋肉や血液の材料として十分に利用されません。
3:× 鉄欠乏性貧血に対しては、すでに鉄剤による治療が行われ症状が改善しています。
鉄も大切ですが、食事全体の量が少ないという根本の問題への対応が優先です。
4:× 立ちくらみや息切れは鉄欠乏性貧血による症状であり、水分不足を示す所見はありません。
水分摂取量を増やすことは指導方針の中心にはなりません。
【ポイント】
女性アスリートの三主徴は、利用可能エネルギー不足、無月経、骨粗鬆症です。
審美系・持久系の競技では特に起こりやすく、エネルギー摂取量の確保が対策の基本です。