K 産科病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、36歳、初産婦、会社員。
現在、妊娠 8週目。
激しい嘔吐を繰り返すようになり、食事がほとんど食べられなくなったため入院となった。
身長 165 cm、体重 56 kg、妊娠前体重 59 kg。
血圧 110/70 mmHg。
空腹時の血液検査値は、クレアチニン 0.8 mg/dL、尿素窒素 30 mg/dL、血糖 80 mg/dL。
たんぱく尿(-)、尿中ケトン体(2+)。
退院後、順調に回復した。
時々、つわりの症状があるものの、体重は 60 kg となり、現在は妊娠 12週目となった。
本人は、自身の体重の増え方が少ないことを気にして、栄養相談のために来院した。
表は、本人が持参した食事メモである。
患者への助言として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
妊娠前の体重は59 kg、身長165 cm なので、妊娠前 BMI は約21.7 kg/m² で普通体重です。
妊娠12週の現在、体重は60 kg で、妊娠前より1 kg 増えています。
食事メモでは、毎食に主食(トースト・おにぎり・ご飯)があり、主菜(卵焼き・シューマイ・唐揚げ・鶏肉の照り焼き・冷奴)もとれています。
朝食にヨーグルトとオレンジジュース、間食にシュークリームとシャーベットもとっています。
【選択肢別解説】
1:× 主食は朝食のトースト、昼食のおにぎり、夕食のご飯と毎食とれています。
妊娠初期に主食の1回量を増やすよう指導する必要はありません。
2:× 朝食でオレンジジュースをとっており、果物の要素はある程度とれています。
体重増加は順調であり、果物を加えるよう指導する必要性は高くありません。
3:× 朝食のヨーグルトや間食のシュークリームなど、乳製品もとれています。
現時点で間食に牛乳を加えるよう指導する必要はありません。
4:○ 妊娠初期はエネルギーの付加量が少なく、つわりもある時期なので、体重がわずかに増えていれば問題ありません。
食事内容もおおむね整っているので、本人を安心させ、今の食生活を続けるよう助言するのが最も適切です。
【ポイント】
「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」(2021年)では、妊娠前 BMI が普通体重の場合、妊娠全期間の体重増加量の目安は10〜13 kg です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、妊娠初期のエネルギー付加量は50 kcal/日です。