K 病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、 9歳 2か月、女児。
健診で肥満を指摘され、心配した母親が女児を連れて来院した。
初診時、 身長 135 cm、 体重 44 kg、 肥満度 41.8%。
腹囲 81 cm。
血圧 114/70 mmHg。
空腹時の血液検査値は、 血糖 90 mg/dL、AST 17 U/L、ALT 29 U/L、 non-HDL コレステロール 130 mg/dL、トリグリセリド 115 mg/dL。
家族歴なし。
原発性肥満と診断され、医師から 1日の指示エネルギー量を 2,000 kcal、たんぱく質エネルギー比率を 20%E、脂肪エネルギー比率を 25〜30%E、カルシウム量を 750 mg として、栄養食事指導を行うよう指示があった。
放課後や休日は外遊びをよくしているが、スポーツクラブなどには所属していない。
母親から、女児の普段の食事内容を聞き取った(表)。
医師からの指示内容を踏まえ、優先すべき改善項目である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
表 患者の普段の食事内容
朝食:ご飯(150 g)、焼きのり、即席味噌汁(粉末タイプ 1袋)
昼食(給食):ご飯(おかわり 1回)、八宝菜、鯵の南蛮漬け、フルーツ白玉、牛乳( 1本)
間食(午後 4時):アイスクリーム( 1カップ)、ポテトチップス(小 1袋)
夕食:ご飯(150 g)、照り焼きチキン(100 g)、フライドポテト(35 g)、ミニトマト( 3個)、大根とわかめの味噌汁( 1杯)、みかん(小 2個)、麦茶(コップ 1杯)
間食(午後 8時):牛乳(コップ 1杯)
正答2
解説
正解は2です。
医師の指示は、エネルギー2,000 kcal、たんぱく質20%E、脂肪25〜30%E、カルシウム750 mg です。
%E の指示を量に直して、食事内容と比べます。
【計算】
たんぱく質の指示量=2,000 kcal×0.20÷4 kcal/g=100 g です。
脂質の指示量=2,000 kcal×0.25〜0.30÷9 kcal/g=約56〜67 g です。
【食事内容の読み取り】
朝食はご飯・焼きのり・即席味噌汁だけで、主菜がありません。
主なたんぱく質源は、給食の八宝菜と鯵の南蛮漬け、夕食の照り焼きチキン、給食の牛乳1本と夜の牛乳コップ1杯です。
これらを合わせても、たんぱく質は指示量の100 g に届かないと見積もられます。
【選択肢別解説】
1:× ご飯のおかわりや間食の菓子でエネルギーはやや多めですが、指示量から大きく外れてはいません。
最も大きくずれているのはたんぱく質です。
2:○ 朝食に主菜がなく、たんぱく質は指示量の100 g に対して不足しています。
成長期の子どもの肥満では、筋肉や骨の発育に必要なたんぱく質を確保することが重要なので、優先すべき改善項目です。
3:× フライドポテトやポテトチップス、アイスクリームなど脂質の多い食品はありますが、全体では指示量の範囲から大きくは外れていません。
最優先で改善すべき項目ではありません。
4:× 給食の牛乳1本と夜の牛乳コップ1杯を飲んでおり、カルシウムは指示量の750 mg 程度を確保できています。
優先すべき改善項目ではありません。
【ポイント】
%E で示された指示は、エネルギーに掛けてから、たんぱく質は4、脂質は9で割って g に換算します。
成長期の肥満では、エネルギーを適正にしながら、たんぱく質やカルシウムは十分にとることが大切です。