75歳、女性。
心不全。
軽度の身体活動で呼吸苦があり、状態が悪化して入院となった。
浮腫も認められ、利尿薬の投与が開始された。
身長 150 cm、体重 45 kg、BMI 20.0 kg/m2。
空腹時の血液検査値は、ナトリウム 135 mEq/L、カリウム4.0 mEq/L、クレアチニン 0.6 mg/dL。
かろうじて経口摂取ができている。
この患者の1日当たりの目標栄養量として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
心不全で浮腫があり、利尿薬を開始した75歳の女性です。
身長150cm、体重45kgで、クレアチニン0.6mg/dLと腎機能は保たれており、経口摂取はかろうじてできている状態です。
【計算】
標準体重=1.5×1.5×22=49.5kg
たんぱく質(1.0〜1.2g/kg標準体重)=49.5×1.0〜1.2=約50〜59g/日
エネルギー(25〜30kcal/kg標準体重)=49.5×25〜30=約1,240〜1,490kcal/日
【選択肢別解説】
1:× 計算上の必要量は約1,240〜1,490kcal/日です。
1,600kcalは多すぎるうえ、かろうじて経口摂取ができている状態では摂取も困難です。
2:○ 腎機能が保たれているため、たんぱく質を制限する必要はありません。
高齢の心不全患者は低栄養や筋肉量の減少(心臓悪液質)を起こしやすいため、十分なたんぱく質を確保します。
60gは標準体重あたり約1.2gで、適切な量です。
3:× 心不全では食塩を6g/日未満に制限するのが基本です。
3gまで厳しく制限すると食欲が低下し、かろうじてできている経口摂取がさらに減って低栄養を招きます。
4:× 浮腫があるうっ血性の心不全では、水分のとりすぎは体液貯留を悪化させます。
2,000mLは多すぎるため、水分は制限します。
【ポイント】
心不全の食事療法の基本は食塩6g/日未満です。
高齢の心不全患者では、過度な食塩制限で食欲が落ちて低栄養になりやすいため、摂取量の確保とのバランスが重要です。