委託元への著作権の移転に関する条項を含むソフトウェア開発委託契約書に,“委託先は著作者人格権を行使しない”という記載があった。
これはどのような問題の発生を防ぐためのものか。
正答4
解説
正解は4です。
著作権法では、著作権(財産権)は契約で譲渡できますが、著作者人格権は著作者本人に一身専属し、譲渡できません。
著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権があります。
このうち同一性保持権は、著作物を著作者の意に反して改変されない権利です。
【選択肢別解説】
1:× 技術者倫理に関する責任は、著作者人格権とは関係がありません。
この条項は倫理上の責任を対象とするものではありません。
2:× 開発者を委託元が後で雇用できるかどうかは、雇用契約の問題です。
著作者人格権の不行使とは関係がありません。
3:× 不具合に対する金銭的補償は、契約不適合責任などの契約上の責任の問題です。
著作者人格権とは関係がありません。
4:○ 著作権を移転しても、委託先に同一性保持権が残ると、委託元がソフトウェアを修正する際に委託先の了解が必要になるおそれがあります。
不行使の特約は、委託元や他社が自由に修正できるようにするためのものです。
【ポイント】
著作者人格権は譲渡できないため、契約では「行使しない」という不行使特約を定めるのが一般的です。
著作権の移転と著作者人格権の不行使は、セットで規定されることが多い点を押さえておきます。