60 歳の男性。
脳梗塞による片麻痺と高次脳機能障害に対して理学療法を実施している。
時折、能力以上の動作を行おうとするために転倒のリスクが指摘されていた。
理学療法終了後、搬送担当者がわずかに目を離した間に立ち上がりバランスを崩して床に座りこんだが、明らかな打撲や血圧の変化はみられなかった。
対応として適切でないのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(不適切な対応)です。
明らかな外傷はないものの、患者が転倒して座りこんだ医療事故(インシデント)が起きた後の対応を問う問題です。
事実の報告と共有、再発防止が基本になります。
【選択肢別解説】
1:× 家族に起きたことと現在の状態を説明するのは、誠実な対応として適切です。
2:× 原因を分析し、見守りの方法など再発防止の具体案を提案するのは適切です。
3:× 主治医には口頭で速やかに報告し、診察などの必要な対応を受けられるようにします。
明らかな異常がなくても、後から症状が出ることがあるためです。
4:× 発生した状況(時刻・場所・経過・状態)を詳しく文書(インシデントレポート)で報告するのは適切です。
組織で情報を共有し、再発防止に役立てます。
5:○ 責任の所在を明らかにすることを優先するのは、適切な対応ではありません。
事故対応の目的は患者の安全確保と再発防止であり、自分の責任を否定する姿勢は家族の不信も招きます。
【ポイント】
インシデント発生時は、患者の安全確認、上司・主治医への速やかな報告、記録、家族への説明、再発防止策の順に対応します。
個人の責任追及ではなく、仕組みの改善を目的とします。