75 歳の女性。
交通事故により受傷。
救急搬送時のエックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。
遠位骨片を短縮転位させる主な筋はどれか。
正答5
解説
正解は5です。
エックス線写真では、向かって右側の大腿骨で小転子より遠位、転子下から骨幹部近位に骨折があります。
遠位骨片は上方へずれて近位骨片の内側に重なり、下肢が短縮しています。
遠位骨片を短縮させるのは、骨折部をまたいで骨盤と遠位骨片(またはその先の下腿)を結ぶ筋です。
【選択肢別解説】
1:× 中殿筋は腸骨から大転子に付きます。
近位骨片を外転させる筋で、遠位骨片には付着しません。
2:× 小殿筋も大転子に停止し、近位骨片を外転・内旋させる筋です。
遠位骨片の短縮には関与しません。
3:× 腸腰筋は小転子に停止し、近位骨片を屈曲・外旋させます。
骨折部より近位に付くので、遠位骨片を引き上げることはありません。
4:× 上双子筋は大転子付近に停止する外旋筋です。
近位骨片に作用し、遠位骨片には影響しません。
5:○ 大腿直筋は下前腸骨棘から起こり、膝蓋腱を介して脛骨粗面に停止します。
骨折部をまたいで骨盤と下腿を結ぶため、収縮すると遠位骨片を上方へ引き、短縮転位を生じます。
【ポイント】
大腿骨転子下骨折では、近位骨片は屈曲・外転・外旋し、遠位骨片は内転筋群・ハムストリングス・大腿直筋に引かれて短縮・内転します。