75歳の女性。
右利き。
脳梗塞を発症し救急車で搬入された。
発症翌日に症状の悪化を認めた。
発症3日目の頭部MRIの拡散強調像(別冊No.2)を別に示す。
最も出現しやすい症状はどれか。
正答1
解説
正解は1です。
MRI拡散強調像で、急性期梗塞の部位から症状を予測する問題です。
図では左側脳室体部のすぐ外側の深部白質(放線冠)に、限局した高信号域がみられます。
大脳皮質には病変がなく、翌日に症状が悪化した経過は、穿通枝の梗塞(分枝粥腫型梗塞)でよくみられます。
【選択肢別解説】
1:○ 片麻痺が最も出現しやすい症状です。
放線冠には大脳皮質から下行する錐体路が集まっており、ここが障害されると反対側の右片麻痺が生じます。
2:× 失語症は出現しにくいです。
右利きでは左半球が言語の優位半球ですが、失語は前頭葉や側頭葉の皮質と皮質下の病変で生じ、本例の病変は深部白質に限られています。
3:× 運動失調は出現しにくいです。
運動失調は主に小脳やその連絡路の障害で生じ、本例の病変部位とは異なります。
4:× 嚥下障害は出現しにくいです。
嚥下障害は延髄の病変や両側の大脳病変で目立ち、片側の小さな白質病変では軽度にとどまります。
5:× 視野障害は出現しにくいです。
視放線や後頭葉の病変で生じますが、本例の病変は側脳室体部の外側で視覚路から離れています。
【ポイント】
放線冠や内包後脚の小さな梗塞は、純粋運動性片麻痺を起こしやすい部位です。
発症後数日で悪化する穿通枝梗塞は、分枝粥腫型梗塞として知られます。