78歳の男性。
慢性閉塞性肺疾患の急性増悪により人工呼吸器管理中である。
意識レベルJCS〈Japan Coma Scale〉Ⅱ-20、体温37.5℃、呼吸数は26回/分、努力性呼吸を認める。
二次的合併症の予防目的で行う理学療法で適切でないのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(適切でない手技)です。
本症例はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪で人工呼吸管理中であり、意識レベルはJCS Ⅱ-20、発熱と努力性呼吸があります。
この時期の理学療法は、肺炎・無気肺・関節拘縮などの二次的合併症を防ぐことが目的です。
【選択肢別解説】
1:× 呼吸介助は、呼気に合わせて胸郭を圧迫し、換気と排痰を助ける手技です。
努力性呼吸の軽減と無気肺の予防に役立ち、適切です。
2:× 体位排痰法は、痰の貯留した区域を上にした体位で重力を使って排痰を促します。
人工呼吸管理中の無気肺や肺炎の予防に有効で、適切です。
3:× ベッドアップ(頭部挙上)は横隔膜を下げて換気を助けます。
胃内容物の逆流や人工呼吸器関連肺炎の予防にもつながり、適切です。
4:× 関節可動域運動は、臥床が続くことで起こる関節拘縮を防ぐ目的で行います。
意識障害があっても他動的に実施でき、適切です。
5:○ 徒手的抵抗運動は、本人の随意的な筋収縮に抵抗を加える筋力増強運動です。
意識障害で指示に従えず、努力性呼吸で酸素消費をさらに増やすため、この時期には適しません。
【ポイント】
急性増悪期の人工呼吸管理中は、呼吸の負担を増やさず、二次的合併症を予防する介入を優先します。
全身状態が安定してから、段階的に筋力増強や離床を進めます。