75歳の男性。
身長170cm、体重48kg、BMI 16.6。
約10年前から呼吸困難が出現し自宅近くの医院で加療していた。
徐々に呼吸困難感が増悪してきており、50m程度の連続歩行で呼吸困難感のため休息が必要である。
動脈血ガス分析PaO₂65Torr、PaCO₂48Torr、肺機能検査%VC 81%、FEV1%31%であった。
患者の胸部エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。
この患者の運動療法を中止すべき状態として最も適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
前問と同じCOPDの患者で、運動療法の中止基準を問う問題です。
呼吸リハビリテーションでは、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)が90%未満になったら運動を中止するのが一般的な基準です。
ほかに、修正Borg指数7〜9の強い呼吸困難、呼吸数30回/分以上なども中止の目安です。
【選択肢別解説】
1:○ SpO2 82%は、中止基準の90%を大きく下回る低酸素血症です。
直ちに運動を中止し、休息や酸素投与を行う必要があります。
2:× 呼吸数22回/分は運動中として許容範囲です。
中止の目安は30回/分以上です。
3:× 75歳の予測最大心拍数は220−75=145回/分で、その85%は約123回/分です。
105回/分はこれより低く、中止基準に達していません。
4:× 修正Borg指数5は「強い」に相当し、COPDの運動療法で目標とされる範囲内です。
中止の目安は7〜9の非常に強い呼吸困難です。
5:× 運動中に収縮期血圧が20mmHg程度上がるのは正常な反応です。
中止すべきなのは、血圧が過度に上昇した場合や、運動中に低下した場合です。
【ポイント】
COPDの運動療法では、SpO2 90%未満・修正Borg指数7以上・呼吸数30回/分以上が代表的な中止基準です。
心拍数は年齢別予測最大心拍数の85%が上限の目安です。