75 歳の女性。
左膝痛を訴え、関節可動域が伸展 -10°、屈曲 95°に制限されている。
来院時のエックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。
膝関節拘縮に対する治療で正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
エックス線写真では、左膝の内側の関節裂隙が狭くなり、骨棘や骨硬化がみられます。
変形性膝関節症による伸展・屈曲の拘縮で、その治療の原則を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× CPM(持続的他動運動)は、主に術後早期に可動域を維持する目的で使います。
すでに完成した拘縮を伸張して改善する効果は乏しく、この場面の治療としては適切ではありません。
2:○ 拘縮の伸張では、近位の大腿をしっかり固定し、遠位の下腿を動かして伸張を加えます。
固定が不十分だと、ほかの関節や体幹の動きで代償され、目的の組織が伸びません。
3:× 疼痛を感じる強さの矯正力は、組織を傷めて炎症や防御的な筋収縮を招きます。
伸張は痛みの出ない範囲か、軽い伸張感を感じる程度で、時間をかけて行います。
4:× 動的膝装具は、ばねなどの力で持続的に弱い伸張を加え、拘縮の改善に用います。
用いないのではなく、拘縮の治療手段の1つです。
5:× 連続ギプス法は、数日ごとに巻き替えて少しずつ矯正位を強める方法です。
1日ごとに5°ずつ強めるのは間隔が短く、矯正の量も大きすぎます。
【ポイント】
拘縮に対する伸張は「近位を固定し遠位を動かす」「痛みのない範囲で」「弱い力を長い時間」が原則です。