65 歳の女性。
左変形性股関節症。
3年前からの左股関節痛に対して後方侵入法で人工股関節置換術を受けた。
術後のエックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。
手術後3週までの患側の理学療法で正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
エックス線写真では、左股関節に寛骨臼側のカップと大腿骨側のステムからなる人工股関節が入っています。
後方侵入法では後方の関節包や短外旋筋群を切離するため、股関節の深い屈曲・内転・内旋の組合せで後方脱臼が起こりやすくなります。
術後は脱臼肢位を避けつつ、早期から離床と筋力練習を進めます。
【選択肢別解説】
1:× 股関節内旋位での立ち上がりは、後方侵入法の脱臼肢位に近づくため危険です。
正しくは内旋を避け、中間位からやや外旋位で立ち上がります。
2:○ 等尺性筋力増強練習は関節を動かさずに筋を収縮させるため、脱臼の危険が少なく術後翌日から行えます。
大腿四頭筋や殿筋の筋力低下を防ぐ目的で早期から行います。
3:× 人工股関節置換術後は、術後翌日から離床を始めるのが一般的です。
3日間のベッド上安静は、深部静脈血栓症や筋力低下の危険を高めます。
4:× 避けるべきなのは90°を超える深い屈曲と、内転・内旋の組合せです。
45度までに制限するのは過剰で、ADLの再獲得を妨げます。
5:× 人工股関節置換術後は、術後早期から全荷重や痛みに応じた荷重が許可されることが多くなっています。
術後3週まで免荷とする必要は一般にありません。
【ポイント】
後方侵入法の脱臼肢位は「屈曲・内転・内旋」、前方侵入法の脱臼肢位は「伸展・内転・外旋」です。
靴下の着脱や低い椅子からの立ち上がりなど、ADLの中で脱臼肢位を避ける方法を指導します。