60 歳の男性。
末梢動脈疾患。
Fontaine 分類Ⅱ度。
連続歩行距離が低下しているが、歩行時以外の疼痛はなく、足部の変形は見られない。
この患者の連続歩行能力改善に最も適切な理学療法はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
Fontaine分類Ⅱ度は間欠性跛行がみられる段階で、歩行時に下肢の虚血による痛みが出て、休むと改善します。
この段階の末梢動脈疾患では、監視下の歩行による運動療法が連続歩行距離を延ばす中心的な治療です。
【選択肢別解説】
1:× 寒冷療法は血管を収縮させ、下肢の血流をさらに減らします。
虚血を悪化させるため、末梢動脈疾患には不適切です。
2:× 足底挿板は足部の変形や荷重の偏りを補正するものです。
本症例には足部の変形がなく、歩行距離の改善にもつながりません。
3:○ トレッドミル歩行練習は、痛みが中等度に達するまで歩き、休んでから再開することを繰り返します。
側副血行路の発達や筋の酸素利用の改善により、連続歩行距離が延びます。
4:× コンプレッションポンプ(間欠的空気圧迫法)は、主にリンパ浮腫の治療などに用いられます。
間欠性跛行の歩行能力を改善する第一選択ではありません。
5:× 下肢の他動的関節可動域運動は筋の活動をほとんど伴いません。
歩行時の筋の血流や持久力は改善せず、連続歩行能力の改善には不十分です。
【ポイント】
Fontaine分類はⅠ度が冷感・しびれ、Ⅱ度が間欠性跛行、Ⅲ度が安静時痛、Ⅳ度が潰瘍・壊死です。
Ⅱ度には監視下運動療法、Ⅲ度以降は血行再建の検討が優先されます。