正答5
解説
正解は5です。
末梢血の赤血球形態は、貧血の原因を推定する重要な手がかりです。
図では、正常な円盤状の赤血球に混じって、ヘルメット形、三角形、三日月形など、ちぎれたような形の小さな赤血球が散在しています。
これは破砕赤血球(schistocyte)です。
破砕赤血球は、細い血管の中で赤血球が物理的に壊されたことを示します。
周囲よりやや大きく、灰色がかって濃く染まる赤血球も少数みられます。
これは溶血に反応して骨髄から出てきた若い赤血球(多染性赤血球)と考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 赤芽球癆は、骨髄で赤芽球だけが作られなくなる疾患です。
網赤血球が著しく減少しますが、破砕赤血球は出現しません。
2:× サラセミアでは、小球性低色素性の赤血球と標的赤血球が特徴です。
破砕赤血球が目立つ疾患ではありません。
3:× 鉄芽球性貧血では、骨髄に環状鉄芽球が出現し、末梢血では低色素性の赤血球が混在します。
破砕赤血球は特徴ではありません。
4:× 再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞の障害で汎血球減少を来す疾患です。
赤血球の形態異常は目立たず、破砕赤血球はみられません。
5:○ 細血管障害性溶血性貧血では、微小血管内にできた血栓やフィブリンの網に赤血球が引っかかって壊されます。
その結果、破砕赤血球が出現し、図の所見に一致します。
血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、播種性血管内凝固などでみられます。
【ポイント】
「破砕赤血球=細血管障害性溶血性貧血」「標的赤血球=サラセミア」「球状赤血球=遺伝性球状赤血球症や自己免疫性溶血性貧血」と形態と疾患を対応させます。