動脈血ガス分析の所見を示す。
pH 7.32
Na⁺ 142 mEq/L
Cl⁻ 106 mEq/L
HCO₃⁻ 24 mEq/L
考えられる病態はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
pHが7.32と低いため、アシデミア(酸血症)の状態です。
代謝性アシドーシスの原因を区別するには、アニオンギャップ〈AG〉を計算します。
【計算】
AG = Na⁺ −(Cl⁻ + HCO₃⁻)
AG = 142 −(106 + 24)
AG = 12 mEq/L
AGは基準範囲内(おおむね12±2 mEq/L)です。
AGが正常のアシドーシスは、HCO₃⁻の喪失や酸排泄の障害をClの増加が補う、高Cl性のアシドーシスです。
選択肢の中では尿細管性アシドーシスがこれに当たります。
【選択肢別解説】
1:× 尿毒症では硫酸やリン酸などの陰イオンが蓄積します。
そのためAGが増加するアシドーシスになります。
2:× 乳酸アシドーシスでは乳酸が陰イオンとして蓄積します。
AGが増加するアシドーシスです。
3:○ 尿細管性アシドーシスでは、腎臓でのHCO₃⁻の再吸収や酸の排泄が障害されます。
陰イオンの不足をCl⁻が補うため、AGが正常の高Cl性アシドーシスとなります。
4:× 原発性アルドステロン症では、アルドステロン過剰により尿へのH⁺とK⁺の排泄が増えます。
その結果、アシドーシスではなく代謝性アルカローシスになります。
5:× 糖尿病性ケトアシドーシスではケトン体が陰イオンとして蓄積します。
AGが増加するアシドーシスです。
【ポイント】
AG増加型は「尿毒症、乳酸、ケトン体、薬物中毒」、AG正常型は「下痢、尿細管性アシドーシス」と分けて覚えます。