正答5
解説
正解は5です。
心電図は規則正しい洞調律で、心拍数はおよそ60/分前後です。
各誘導でP波の直後にすぐQRS波が立ち上がっており、PR間隔が短縮しています。
QRS波の立ち上がりはなだらかに傾斜しており、デルタ波を伴います。
これはWPW〈Wolff-Parkinson-White〉症候群の所見で、副伝導路(ケント束)を通る早期興奮を示しています。
WPW症候群では副伝導路を回路とする房室回帰性頻拍が起こりやすく、これが頻回の動悸の原因と考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 心室細動では基線が不規則に揺れ、QRS波が認められません。
致死的な不整脈で、動悸を訴えて来院する状態ではありません。
2:× 洞性不整脈では呼吸に伴ってRR間隔が変動します。
図ではRR間隔は一定で、デルタ波という別の異常がみられます。
3:× 洞不全症候群では洞性徐脈や洞停止がみられます。
図では洞停止や高度の徐脈はなく、P波は規則正しく出ています。
4:× 洞房ブロックではP波とQRS波がまとめて脱落し、RR間隔が延長します。
図にはそのような脱落はみられません。
5:○ 短いPR間隔とデルタ波からWPW症候群と判断できます。
WPW症候群に合併しやすい発作性上室頻拍(房室回帰性頻拍)が動悸の原因として最も考えられます。
【ポイント】
WPW症候群の三徴は「PR短縮、デルタ波、QRS幅の延長」です。
非発作時の心電図でも、この3つから頻拍発作の素地を読み取れます。