次の文を読み83、84の問いに答えよ。
30歳の女性。
出産後に発熱が続き、蝶形紅斑および蛋白尿を認めたため入院した。
腎生検を行い、蛍光抗体法によってC1qを染色した結果(別冊No. 12)を別に示す。
血液検査で認められる可能性が高い所見はどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答3・5
解説
正解は3と5です。
出産後の若い女性に、発熱、蝶形紅斑、蛋白尿がそろっており、全身性エリテマトーデス〈SLE〉とループス腎炎が考えられます。
写真の蛍光抗体法では、糸球体の毛細血管壁やメサンギウム領域に沿って、C1qが塊状から顆粒状に明るく沈着しています。
C1qの沈着は、免疫複合体によって補体の古典経路が活性化されたことを示し、ループス腎炎に特徴的です。
【選択肢別解説】
1:× SLEでみられる貧血は、慢性炎症に伴う正球性貧血や自己免疫性溶血性貧血が中心です。
大球性貧血は典型的な所見ではありません。
2:× SLEでは好中球増多ではなく、白血球減少がよくみられます。
3:○ SLEではリンパ球に対する抗体などにより、リンパ球減少がよくみられます。
診断基準の項目の一つでもあります。
4:× SLEでは多種類の自己抗体がつくられるため、γ-グロブリンは低下ではなく増加します。
5:○ 免疫複合体によって補体が消費されるため、C3、C4、補体価(CH50)が低下します。
写真のC1q沈着も補体の古典経路が活性化されていることを裏付けています。
【ポイント】
SLEの血液所見は「白血球減少、リンパ球減少、血小板減少、溶血性貧血、低補体血症、γ-グロブリン増加」と覚えます。