正答4
解説
正解は4です。
血液ガスの判定では、まずpHで酸血症かアルカリ血症かを決めます。
次に、PaCO₂とHCO₃⁻のどちらが原因かをみます。
本例はpH 7.48でアルカリ血症、PaCO₂ 30 Torrと低下、HCO₃⁻ 22 mmol/Lはほぼ基準範囲です。
したがって呼吸性アルカローシスで、腎による代償がまだ進んでいない急性の状態と考えられます。
PaO₂ 98 Torrは正常で、肺の酸素化障害はありません。
【選択肢別解説】
1:× 胃液吸引では胃酸(塩酸)が失われ、HCO₃⁻が上昇する代謝性アルカローシスになります。
本例はHCO₃⁻が上がっていないので合いません。
2:× 急性膵炎では、重症化すると循環不全などで代謝性アシドーシスを来すことがあります。
PaCO₂の低下だけによるアルカリ血症の典型例ではありません。
3:× 慢性肺気腫では換気が不十分になり、PaCO₂が上昇する呼吸性アシドーシスとPaO₂の低下を来します。
本例とは逆の所見です。
4:○ 過換気症候群では、不安などで呼吸が速く深くなり、CO₂が過剰に吐き出されます。
PaCO₂が低下して呼吸性アルカローシスとなり、PaO₂は正常に保たれるので本例と一致します。
5:× 原発性アルドステロン症では、腎からのK⁺とH⁺の排泄が増え、低カリウム血症を伴う代謝性アルカローシスになります。
HCO₃⁻は上昇します。
【ポイント】
呼吸性の異常ではpHとPaCO₂が逆向きに動き、代謝性の異常ではpHとHCO₃⁻が同じ向きに動きます。
過換気症候群ではテタニー(手足のしびれ)を伴うこともあります。