陳旧性心筋梗塞のH-E染色標本(別冊No. 8)を別に示す。
病変の広がりを確認するために最も適している染色法はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
別冊No. 8のH-E染色標本では、左側に濃いピンク色に染まる心筋線維が残っています。
右側の広い範囲は、心筋が失われて淡いピンク色の線維性の組織に置き換わっています。
陳旧性心筋梗塞では、壊死した心筋が膠原線維による瘢痕(線維化)に置き換わります。
病変の広がりを確認するには、膠原線維と心筋をはっきり色分けできる染色が適しています。
【選択肢別解説】
1:× Alcian blue染色は酸性粘液多糖を青く染める方法です。
膠原線維と心筋を染め分けることはできません。
2:○ azan染色は、膠原線維を青色、心筋などの筋線維を赤色に染め分けます。
青く染まる瘢痕の範囲と赤く残る心筋の境界が明瞭になり、梗塞巣の広がりを確認できます。
3:× Masson-Fontana染色は、メラニンなどの銀還元性物質を黒く染める方法です。
線維化の評価には用いません。
4:× mucicarmine染色は上皮性粘液を赤く染める方法です。
腺癌の粘液やクリプトコッカスの莢膜の証明に用いられ、線維化の評価には向きません。
5:× Sudan Ⅲ染色は脂肪を橙赤色に染める方法で、凍結切片で行います。
梗塞後の線維化の広がりを示すことはできません。
【ポイント】
膠原線維の染色法には、azan染色(青)、Masson trichrome染色(青または緑)、van Gieson染色(赤)があります。
心筋梗塞の時期は、凝固壊死、好中球浸潤、肉芽組織、瘢痕の順に移り変わります。