膿のGram染色標本(別冊No. 12)を別に示す。
分離菌はヒツジ血液寒天培地およびBTB乳糖寒天培地に発育し、カタラーゼ試験は陽性でマンニトールを分解した。
推定される菌種はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
別冊No. 12の膿のGram染色標本では、赤く染まる好中球の中や周囲に、紫色(Gram陽性)の球菌が多数みられます。
球菌は鎖状ではなく、ぶどうの房のような不規則な集塊を作っており、好中球に貪食されています。
Gram陽性球菌の集塊、カタラーゼ陽性、マンニトール分解陽性という所見から、黄色ブドウ球菌と推定します。
【選択肢別解説】
1:× Enterococcus faecalisはGram陽性球菌ですが、双球菌や短い連鎖を作り、カタラーゼ試験は陰性です。
設問の所見と合いません。
2:○ Staphylococcus aureusはぶどうの房状に集まるGram陽性球菌で、カタラーゼ陽性です。
ブドウ球菌の中でマンニトールを分解するのが特徴で、膿瘍などの化膿性病変の代表的な原因菌です。
3:× Staphylococcus epidermidisもぶどうの房状のGram陽性球菌でカタラーゼ陽性ですが、通常マンニトールを分解しません。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の代表です。
4:× Streptococcus agalactiae(B群レンサ球菌)は連鎖状に並ぶGram陽性球菌で、カタラーゼ陰性です。
設問の所見と合いません。
5:× Streptococcus pyogenes(A群レンサ球菌)も連鎖状のGram陽性球菌で、カタラーゼ陰性です。
設問の所見と合いません。
【ポイント】
Gram陽性球菌は、カタラーゼ陽性ならブドウ球菌、陰性ならレンサ球菌や腸球菌と大きく分けます。
ブドウ球菌の中では、コアグラーゼ陽性とマンニトール分解で黄色ブドウ球菌を見分けます。