正答3
解説
正解は3です。
病理組織学的検査の固定液には、組織の形を保つことに加え、免疫染色や遺伝子検査にも使えることが求められます。
現在の標準は、リン酸緩衝液でpHを中性に保った10%中性緩衝ホルマリン液です。
【選択肢別解説】
1:× 10%中性ホルマリン液は炭酸カルシウムなどで中和しただけのものです。
緩衝作用がなく、時間とともに酸性に傾きます。
2:× 10%等張ホルマリン液は塩類で浸透圧を合わせたものです。
pHを保つ緩衝作用がなく、推奨される固定液ではありません。
3:○ リン酸緩衝液でpHを7.4前後に保つため、ホルマリン色素の沈着や核酸の分解が起こりにくくなります。
免疫染色や遺伝子検査にも適しています。
4:× 2%グルタルアルデヒド液は微細構造をよく保つため、主に電子顕微鏡標本の固定に用います。
通常の病理組織検査の固定液ではありません。
5:× 4%パラホルムアルデヒド液は使用直前に調製する固定液で、主に研究用の免疫組織化学などに用います。
通常の病理組織検査で推奨される固定液ではありません。
【ポイント】
ホルマリンが酸性になると、ホルマリン色素が沈着し、DNAも分解されやすくなります。
ゲノム診療用の検体では、10%中性緩衝ホルマリンで適切な時間だけ固定することが推奨されています。