67歳の男性。
汎血球減少症の精査のため骨髄検査を行った。
骨髄穿刺液のMay‑Giemsa染色標本(別冊No.10A、B)及び鉄染色標本(別冊No.10C)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
図AとBはMay-Giemsa染色、図Cは鉄染色の骨髄標本です。
Aでは赤芽球系の細胞がみられ、核と細胞質の成熟がそろわない異形成がうかがえます。
Bでは好中球の核が2つの丸い塊に分かれて眼鏡のように見え、核の分葉が少ない偽Pelger核異常を示しています。
Bの好中球は細胞質の顆粒も乏しく、脱顆粒がみられます。
Cでは赤芽球の核のまわりを青い鉄顆粒が取り囲んでおり、環状鉄芽球です。
高齢者の汎血球減少に、複数の血球系の異形成と環状鉄芽球が加わることから、骨髄異形成症候群と考えます。
【選択肢別解説】
1:× 癌の骨髄転移では、結合性をもった大型の異型細胞の集塊がみられます。
図には癌細胞の集塊はありません。
2:× 多発性骨髄腫では、核が偏在し核周明庭をもつ形質細胞が増加します。
図の主な所見は形質細胞の増加ではありません。
3:× 巨赤芽球性貧血では、核のクロマチンが繊細な大型の巨赤芽球や、過分葉好中球がみられます。
図の好中球は分葉が少なく、環状鉄芽球もあるため合いません。
4:× 再生不良性貧血では骨髄の造血細胞そのものが少なく、血球の形の異常は目立ちません。
異形成や環状鉄芽球はみられません。
5:○ 骨髄異形成症候群は造血幹細胞の異常で、血球に異形成が生じ、無効造血により汎血球減少になります。
偽Pelger核異常や脱顆粒、環状鉄芽球はその代表的な所見です。
【ポイント】
環状鉄芽球は、鉄顆粒が5個以上、核周の3分の1以上を取り囲む赤芽球と定義されます。
偽Pelger核異常は骨髄異形成症候群、過分葉好中球は巨赤芽球性貧血と対比して覚えましょう。