正答5
解説
正解は5です。
図は赤血球の直径の分布曲線(Price-Jones曲線)です。
健常人(赤の点線)は約7.5 μmに1つの鋭いピークをもちます。
患者(青の実線)は、約6 μmと約7.3 μmの2つにピークが分かれており、直径の小さい赤血球の集団が加わっています。
MCVが正常なのに直径の小さい赤血球が多いことは、体積を保ったまま球形になった赤血球の存在を示します。
これは遺伝性球状赤血球症の特徴です。
【選択肢別解説】
1:× 腎性貧血はエリスロポエチンの不足による正球性正色素性貧血です。
赤血球の直径の分布は健常人と大きく変わりません。
2:× サラセミアはグロビン鎖の合成障害による小球性貧血です。
MCVが低下し、MCVが正常という条件に合いません。
3:× 鉄欠乏性貧血は小球性低色素性貧血で、MCVが低下します。
MCVが正常という条件に合いません。
4:× 再生不良性貧血は正球性から軽度大球性の貧血です。
直径が小さい赤血球の集団が出ることはありません。
5:○ 遺伝性球状赤血球症では、膜蛋白の異常で赤血球が球形になります。
体積は保たれるのでMCVは正常ですが、直径は小さく見えるため、図のように小径側にもう1つのピークが現れます。
【ポイント】
球状赤血球は中央の淡い部分がなく、直径が小さく濃く染まって見えます。
遺伝性球状赤血球症ではMCHCが上昇し、赤血球浸透圧抵抗が低下する点も重要です。