正答4
解説
正解は4です。
円柱は尿細管内でTamm-Horsfall蛋白が固まってできた構造物です。
基質の中に何が封入されているかで種類を分類します。
図の所見を確認します。
無染色標本(No.1A)では、細長い円柱の基質内に、直径7〜8µm程度の小型で円形の構造物が多数詰まっています。
これらは核をもたず、輪郭のはっきりした円盤状にみえ、赤血球の特徴を示します。
Sternheimer染色標本(No.1B)では、円柱内の封入物が赤紫色に染まり、白血球のような青く染まる核や顆粒はみられません。
したがって、封入物は赤血球であり、赤血球円柱と判定できます。
【選択肢別解説】
1:× 硝子円柱は基質のみからなり、内部に細胞や顆粒をほとんど含みません。
本例は多数の細胞成分を含むため該当しません。
2:× 顆粒円柱は、変性した細胞由来の顆粒が基質内に散在します。
本例の封入物は顆粒ではなく、形の保たれた円形の赤血球です。
3:× 上皮円柱は尿細管上皮細胞を封入し、細胞は大きく核をもちます。
本例の封入物は小型で核がありません。
4:○ 無核で円形の赤血球が円柱内に3個以上封入されているため、赤血球円柱です。
糸球体からの出血を示し、糸球体腎炎などで重要な所見です。
5:× 白血球円柱では、核をもつ白血球が封入され、Sternheimer染色で核が青紫色に染まります。
本例ではそのような核がみられません。
【ポイント】
赤血球円柱は糸球体性血尿の決め手になる所見です。
無核で大きさのそろった円形細胞か、核をもつ細胞かで、赤血球円柱と白血球円柱を見分けます。