正答3
解説
正解は3です。
FISH法によるHER2検査では、HER2遺伝子のシグナルと、17番染色体のセントロメアを示すCEP17のシグナルを核ごとに数えます。
HER2/CEP17比は、HER2のシグナル総数をCEP17のシグナル総数で割って求めます。
【計算】
図の各核には、黒丸のHER2シグナルがおおむね5〜7個、白丸のCEP17シグナルがおおむね2個ずつ見られます。
1核当たりの平均はHER2が約6個、CEP17が約2個です。
HER2/CEP17比 = 6 ÷ 2 ≒ 3.0です。
【選択肢別解説】
1:× 0.5はHER2のシグナルがCEP17より少ない場合の値です。
図ではHER2のシグナルの方が明らかに多いので当たりません。
2:× 1.0はHER2とCEP17のシグナルが同数の場合で、正常の細胞で見られる値です。
図ではHER2がCEP17の約3倍あるので当たりません。
3:○ 1核当たりHER2約6個、CEP17約2個から、比は約3.0になります。
比が2.0以上なのでHER2遺伝子増幅ありと判定されます。
4:× 10.0になるには、CEP17が2個の核でHER2が約20個必要です。
図のシグナル数ではそこまで多くありません。
5:× 50.0は、HER2のシグナルが数えきれないほど集簇する高度増幅の場合の値です。
図の所見とは合いません。
【ポイント】
乳癌のHER2-FISHでは、HER2/CEP17比2.0以上かつ平均HER2コピー数4.0以上を陽性と判定するのが基本です。
陽性であれば、トラスツズマブなどの抗HER2療法の適応となります。