APTT延長を認めたため、APTTにてクロスミキシング試験を実施した。
結果を表に示す。
患者血漿対正常血漿 10対0 8対2 5対5 2対8 0対10
混和直後[秒] 87 84 79 60 25
37℃・2時間後[秒] 91 89 82 62 27
診断に有用なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
クロスミキシング試験は、患者血漿に正常血漿を混ぜてAPTTの延長が補正されるかをみる検査です。
凝固因子が足りないだけなら、正常血漿を少し混ぜるだけでAPTTは大きく短縮し、グラフは下に凸になります。
本例では正常血漿を50%混ぜても79秒とほとんど補正されず、グラフは上に凸の阻害物質(インヒビター)型です。
さらに混和直後と2時間後でほぼ同じ値であり、即時型の阻害物質と判断できます。
即時型でAPTTを延長させる代表は、ループスアンチコアグラントなどの抗リン脂質抗体です。
【選択肢別解説】
1:× PIVKA-IIはビタミンK欠乏や肝細胞癌で上昇する異常プロトロンビンです。
凝固因子の欠乏型を示すため、本例の阻害物質型とは合いません。
2:× アルブミンは肝臓の合成能や栄養状態の指標です。
APTTの延長の原因となる阻害物質の診断には役立ちません。
3:× D-ダイマーは血栓が溶けたときにできる分解産物で、線溶の亢進を示します。
APTTの延長の原因の特定には役立ちません。
4:× von Willebrand因子は、その欠乏による第Ⅷ因子の低下でAPTTを延長させます。
この場合は欠乏型となり、正常血漿で補正されます。
5:○ 抗カルジオリピン抗体は抗リン脂質抗体の1つです。
即時型の阻害物質型を示す本例で、抗リン脂質抗体症候群の診断に有用です。
【ポイント】
後天性血友病(第Ⅷ因子インヒビター)は、混和後2時間の加温で延長が強まる遅延型の阻害物質型を示します。
即時型か遅延型かで、抗リン脂質抗体と凝固因子インヒビターを区別しましょう。