56歳の女性。
右利き。
脳出血で右片麻痺となり、保存的療法にて発症後7日が経過した。
意識は清明。
右上肢および手指はBrunnstrom法ステージⅠ。
右肩関節に軽度の亜脱臼を認めるが、疼痛や浮腫はない。
現時点でこの患者の右上肢に行う治療として最も適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
発症後7日の脳出血で、右上肢はBrunnstrom法ステージⅠ(随意運動がみられない弛緩期)です。
肩に軽度の亜脱臼はありますが、疼痛と浮腫はありません。
急性期で麻痺の回復が見込まれる時期に行う治療を選びます。
【選択肢別解説】
1:○ 筋再教育訓練は、麻痺筋の随意的な収縮を促す訓練です。
弛緩期のステージⅠでは、促通手技などで筋収縮を引き出し、麻痺の回復を図ることが優先されます。
2:× 利き手交換訓練は、利き手の回復が見込めないときに行う代償的な訓練です。
発症後7日では回復の見通しが立っておらず、時期尚早です。
3:× 間欠的機械圧迫は、浮腫の軽減を目的に用いる方法です。
本症例には浮腫がないため、適応はありません。
4:× 渦流浴は、疼痛や浮腫、関節のこわばりの軽減に用いる温熱療法です。
疼痛も浮腫もなく、出血後7日の急性期に行う必要はありません。
5:× パンケーキ型装具は、手指屈筋の痙縮による手の屈曲拘縮を防ぐための装具です。
ステージⅠは弛緩性麻痺で痙縮が出ていないため、現時点で装着する必要はありません。
【ポイント】
Brunnstrom法ステージⅠは弛緩期、Ⅱで連合反応と痙縮が出現し、Ⅲで共同運動が随意的に起こります。
亜脱臼に対しては、三角巾や肘台などで肩を保護しながら訓練を行います。