55歳の男性。
脊髄小脳変性症。
発症後3年経過。
協調運動障害によってSTEF右46点、左48点である。
この患者のパーソナルコンピュータ使用に適しているのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
脊髄小脳変性症では、測定障害や企図振戦などの協調運動障害により、狙った位置を正確に押すことが難しくなります。
STEF(簡易上肢機能検査、100点満点)が左右とも50点未満であり、上肢の巧緻性はかなり低下しています。
筋力ではなく協調性の問題を補う機器を選びます。
【選択肢別解説】
1:× タイピングエイドは、指でキーを押せない人が手に装着して棒でキーを押す自助具です。
頸髄損傷など手指の筋力低下に用いるもので、手の揺れによる押し間違いは防げません。
2:× PSB(ポータブルスプリングバランサー)は、ばねの力で上肢の重さを支える機器です。
肩や肘の筋力が弱い場合に用いるもので、協調運動障害には適しません。
3:× BFO(Balanced Forearm Orthosis:腕保持用装具)も、前腕を支えて上肢の動きを助ける装具です。
近位筋の筋力低下が適応であり、協調運動障害の補助にはなりません。
4:○ キーボードカバーは、キーの位置に穴を開けた板をキーボードの上にかぶせる用具です。
手をカバーの上に置いて安定させながら、穴に指を入れて1つのキーだけを押せます。
手の揺れによる隣のキーの押し間違いを防げるため、協調運動障害に適しています。
5:× トラックボールマウスは、腕を動かさずにボールを転がしてカーソルを操作する機器です。
協調運動障害があるとボールの細かい操作やクリック時の静止が難しく、問題の解決になりません。
【ポイント】
筋力低下にはPSBやBFO、手指で押せない場合はタイピングエイド、協調運動障害や不随意運動にはキーガード(キーボードカバー)を選びます。
障害の種類に合わせて入力支援機器を選ぶことが大切です。