70 歳の男性。
1年前から誘因なく四肢末梢の感覚障害と筋力低下が出現している。
次第に脱力は進行し、手指の巧緻性低下と歩行障害をきたしている。
頸部 MRI の T2 強調像(別冊No.2)を別に示す。
頸髄の変化が最も大きい部位はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
四肢末梢の感覚障害、手指巧緻性低下、歩行障害は、頸髄が圧迫される頸椎症性脊髄症の典型像です。
T2強調矢状断像で、脊髄が最も細く圧迫され、髄内の信号変化が最も強い高位を探します。
【選択肢別解説】
1:× 第2・第3頸椎間では、脊髄の周囲に脳脊髄液の高信号が保たれています。
この高位の圧迫は軽度で、変化が最も大きい部位ではありません。
2:× 第3・第4頸椎間でも狭窄はみられますが、最大の圧迫部位ではありません。
3:○ 第4・第5頸椎間では、前方の椎間板の膨隆と後方からの圧迫で脊柱管が最も狭くなっています。
脊髄が強く扁平化し、髄内に高信号域がみられるため、変化が最も大きい部位です。
4:× 第5・第6頸椎間は変性の好発部位ですが、本図では脊髄の変化は第4・第5頸椎間より軽度です。
5:× 第6・第7頸椎間では脊髄の周囲に脳脊髄液の層が保たれており、圧迫は目立ちません。
【ポイント】
T2強調像では脳脊髄液が白く写り、脊髄の周囲の白い帯が消えた部位が圧迫部位です。
髄内の高信号は脊髄の浮腫や軟化を示し、症状の責任高位を推定する手がかりになります。