20代の男性。
頸髄損傷完全麻痺(Zancolli の四肢麻痺上肢機能分類 C6B2)。
仰臥位から長座位へ垂直方向の起き上がり動作獲得のために練習を行っている。
図に示す肢位で肩甲帯を左右に振り重心を移動することを繰り返す。
正常以上の関節可動域拡大を目的とした関節運動はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
Zancolli分類C6B2はC6髄節まで機能が残り、肩甲帯の筋と橈側手根伸筋、円回内筋が働くレベルです。
上腕三頭筋が働かないため、起き上がりでは肘を体幹の後ろについて体を支える「on elbows」の肢位を使います。
図はこの肢位で肩甲帯を左右に振り、片肘ずつ後方へずらして体を起こす練習です。
【選択肢別解説】
1:× 頸部伸展は図の肢位でもみられますが、正常以上の可動域を必要とする運動ではありません。
2:× 肩甲骨外転は、体の前方へ手を伸ばす際に働く運動です。
肘を体の後ろで支える図の肢位では、主に肩甲骨は内転します。
3:○ 図では両肘が体幹より後方かつ外側にあり、肩関節は強い水平伸展位をとっています。
この肢位で体重を支えて重心移動するには、正常以上の肩関節水平伸展の可動域が必要です。
4:× 肩関節内旋は、図の肢位で正常以上に拡大する必要のある運動ではありません。
5:× 肩関節外旋も、この起き上がり動作で正常を超える可動域は求められません。
【ポイント】
頸髄損傷の起き上がりでは、肩関節の伸展・水平伸展に加えて、ハムストリングスの伸張性も重要です。
長座位を安定させるため、下肢伸展挙上(SLR)は正常以上の可動域を確保します。