26歳の女性。
衝動的な浪費や奔放な異性交遊のあとに抑うつ状態となり、リストカットを繰り返していた。
常に感情が不安定で、空虚感や見捨てられることへの不安を訴える。
職場での対人関係の悪化をきっかけに自殺企図が認められたため入院となった。
この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
衝動的な浪費や異性交遊、リストカットの反復、感情の不安定さ、空虚感、見捨てられ不安がみられ、境界性パーソナリティ障害が考えられます。
この障害への作業療法では、治療の枠組み(約束事)を明確にし、一貫した態度で関わることが基本です。
【選択肢別解説】
1:× 患者の申し出に応じてその都度面接すると、治療の枠組みが崩れ、要求がエスカレートしやすくなります。
面接は時間と頻度を決めて行います。
2:× 初回面接はまず安心できる関係づくりを優先します。
自殺企図を深く掘り下げると感情が不安定になりやすく、危険の評価は医師を含むチームで行います。
3:× 攻撃性が出るたびに治療者を替えると、スタッフを「良い人・悪い人」に分ける分裂(splitting)を強め、行動化を助長します。
チームで一貫した対応を続けます。
4:× 患者の希望どおりにプログラムを変えると、枠組みが揺らぎ、操作的な行動を強化します。
プログラムは治療目標に基づいて決めます。
5:○ 治療目標や約束事を繰り返し確認すると、治療の枠組みが安定し、行動化を抑える助けになります。
境界性パーソナリティ障害への関わりの基本です。
【ポイント】
境界性パーソナリティ障害には、「枠組みの明確化」「一貫した態度」「チームでの情報共有」で対応します。
個人的な特別扱いや、場当たり的な約束の変更は避けましょう。