57 歳の女性。
右利き。
火災により右前腕以遠にⅢ度の熱傷を受傷した。
救命救急センターに搬送され、壊死組織のデブリドマンを施行され、植皮術が行われた。
術後3日目にベッドサイドにて作業療法を開始した。
この時点での受傷手への対応で正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
Ⅲ度熱傷に植皮術を行った直後は、移植した皮膚が生着することが最優先です。
植皮後おおむね5〜7日間は、植皮部にずれや圧迫が加わらないよう安静を保ちます。
【選択肢別解説】
1:× 弾性包帯による圧迫は、肥厚性瘢痕を予防するために、植皮が生着した後に開始します。
術後3日目に巻き上げると植皮片がずれ、生着を妨げます。
2:× 他動的に関節を動かすと、植皮部に引っ張る力やずれが加わります。
可動域訓練は植皮が生着してから開始します。
3:× 動的スプリントは、ゴムなどの力で関節を動かす装具で、拘縮の改善を目的に後の時期に用います。
術直後は、拘縮を予防する肢位に関節を保つ静的スプリントを用います。
4:○ 安静時に手を心臓より高く挙上すると、浮腫が軽減します。
浮腫が減ると植皮部の循環が保たれ、生着を助けます。
5:× 抵抗運動は筋や皮膚に強い張力をかけます。
植皮の生着前には禁忌であり、創が安定した後の時期に行います。
【ポイント】
植皮直後は「安静・挙上・静的スプリントによる良肢位保持」が基本です。
生着後に可動域訓練、さらに圧迫療法や動的スプリントへと進めます。