25 歳の男性。
頸髄完全損傷、Zancolli の四肢麻痺上肢機能分類で C6A。
ベッド・車椅子間の移乗動作の自立を目指して天井走行型リフトを使用した訓練を行うことになった。
吊り具の写真(別冊No.2)を別に示す。
選択する吊り具として正しいのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
Zancolli 分類 C6A は、手関節背屈が可能だが手指の機能はなく、体幹の筋も麻痺している状態です。
天井走行型リフトでの移乗を自立させるには、吊り具を本人が座ったまま着け外しできることが条件になります。
写真の①④は体全体を包む一体型(シート型)、②③は大腿を左右に分けて通す脚分離型、⑤は背部用と大腿用の2本の帯からなるベルト型です。
【選択肢別解説】
1:× ①は大きな一枚布で体幹から殿部・大腿を包むシート型です。
着けるには寝返りや殿部の持ち上げが必要で、本人が単独で装着するのは困難です。
2:× ②は背部から大腿を左右に分けて包む脚分離型です。
背部への差し込みや脚部の交差に手指の操作と介助を要し、自立した着脱には向きません。
3:× ③は U 字形の脚分離型で、脚部のベルトを交差させて掛けます。
ベルトの交差や留め具の操作に手指の機能が必要で、C6A の自立した着脱は困難です。
4:× ④は頭部まで支える大きな一体型です。
全身を支える介助用の吊り具で、本人が自分で体の下に敷き込むことはできません。
5:○ ⑤は背部に回す帯と大腿の下に通す帯の2本からなるベルト型です。
座位のまま背部と大腿の下に差し込め、手関節背屈や手掌で操作して着け外しできるため、移乗の自立を目指す本症例に適しています。
【ポイント】
吊り具は「誰が着けるか」と「身体をどこまで支える必要があるか」で選びます。
自立を目指すなら着脱しやすいベルト型、介助で使い全身の支持が必要ならシート型と整理しましょう。