72 歳の男性。
Parkinson 病で Hoehn & Yahr の重症度分類ステージⅢ。
60 歳代前半に発症し、投薬治療で経過観察されていたが、小刻み歩行やすくみ足が出現し、1日複数回転倒するようになってきている。
特に方向転換を必要とする箇所での転倒が多い。
自宅の見取り図を示す。
転倒防止のための対応で誤っているのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(不適切な対応)です。
Parkinson 病で Hoehn & Yahr ステージⅢの本症例は、すくみ足と小刻み歩行があり、特に方向転換の場面で転倒しています。
見取り図の × 印は、リビング中央、トイレの扉付近、浴室の洗い場、浴槽内、ベッドの横にあります。
対応は「方向転換を減らす」「つかまる所を作る」「視覚的な手がかりを使う」の観点で考えます。
【選択肢別解説】
1:○ 椅子 A はテーブルと壁の間に置かれた食卓用の椅子で、座るには椅子を引き、狭い場所で体の向きを大きく変える必要があります。
方向転換で転倒しやすい本症例には適しません。
安定した肘掛け付きの椅子を、方向転換の少ない動線上に置くのが望ましいです。
2:× トイレの扉 B は開き戸で、開閉のたびに後ろへ下がったり体の向きを変えたりする必要があります。
引き戸にすれば扉の前での方向転換が減るため、適切な改修です。
3:× 浴室の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを付けると、浴槽への出入りや立ち座りの際につかまって姿勢を保てます。
適切な対応です。
4:× 浴槽内(D)に台を置くと、浴槽の深さが浅くなり、またぎや立ち座りの際の重心移動が小さくなります。
浴槽内での転倒予防として適切です。
5:× ベッドへ近づく床(E)にテープで目印を付けると、すくみ足に対する視覚的手がかりとなり、足を踏み出しやすくなります。
適切な対応です。
【ポイント】
Parkinson 病のすくみ足には、床の線などの視覚的手がかりや、リズム音などの聴覚的手がかりが有効です。
住環境では、方向転換の回数を減らす動線と家具配置を考えることが基本です。