8歳の男児。
幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず、家族で外出した際にはよく迷子になり、両親も養育に困難を感じていた。
小学校に入学してからは、 授業中に勝手に席を立って歩き出したり、順番を守ることも難しく、日常的に忘れ物や落とし物も多く、うっかりミスをして教師に注意されるが、その後も同じミスを繰り返していた。
授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず、最近では学業不振が目立ち始めたため放課後等デイサービスで作業療法士が対応することになった。
作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(不適切な対応)です。
幼児期からの多動、離席、順番が守れない衝動性、忘れ物やうっかりミスの繰り返し、雑音で集中できない不注意がみられます。
注意欠如・多動症(ADHD)が考えられます。
対応の基本は、本人を責めずに環境を調整し、望ましい行動をほめて伸ばすことです。
【選択肢別解説】
1:× 感覚統合療法は、感覚刺激への反応の偏りや身体の使い方の不器用さに働きかける方法で、ADHD児にも用いられます。
適切な対応です。
2:× ペアレントトレーニングは、親が子どもの行動への具体的な関わり方(ほめ方・指示の出し方)を学ぶ方法で、ADHDに有効とされます。
両親が養育に困難を感じている本例に適切です。
3:× 社会生活技能訓練(SST)は、順番を待つ、ルールを守るなどの社会的スキルを練習する方法で、ADHD児に適切です。
4:× 学校を訪問して授業の様子を観察すると、困りごとが起こる場面や環境の要因を把握でき、具体的な環境調整につなげられます。
適切な対応です。
5:○ 教員に行動修正をより強く促すよう依頼すると、注意や叱責が増え、自己評価の低下や反抗を招きます。
正しくは、座席の工夫や刺激の少ない環境づくり、ほめる関わりなどの環境調整を教員と一緒に考えます。
【ポイント】
ADHD児への支援は、環境調整、ペアレントトレーニング、SSTなどの行動面の支援、必要に応じた薬物療法が柱です。
叱責を増やす対応は二次障害を招くため避けます。