33 歳の男性。
ミュージシャンを志していたが、21 歳時に統合失調症を発症し、 2回の入院歴がある。
3か月前から就労移行支援事業所への通所を開始し、支援によってコンサートホールの照明係のアルバイトに就いた。
就労移行支援事業所のスタッフは、定期的に職場訪問を実施して本人と雇用主の関係調整を行っており、主治医やケースワーカーとも連携して支援活動をしている。
この患者に行われているプログラムはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
統合失調症の男性が、本人の希望に近いコンサートホールの照明係として働き始めた症例です。
支援者が職場を訪問して雇用主との関係を調整し、主治医やケースワーカーとも連携しています。
これは、先に就職して職場で支援を続ける援助付き雇用の一つであるIPSの特徴と一致します。
【選択肢別解説】
1:× CBT(Cognitive Behavioral Therapy:認知行動療法)は、考え方や行動のくせを見直して症状の改善を図る精神療法です。
就労の場での継続的な支援を指すものではありません。
2:○ IPS(Individual Placement and Support:個別就労支援プログラム)は、本人の希望を重視し、早期に一般就労へつなぐ方法です。
就職後も職場訪問などで継続的に支援し、医療と就労支援が連携する点が特徴です。
3:× NEAR(Neuropsychological Educational Approach to Remediation)は、コンピュータ課題などで認知機能の改善を図る認知機能リハビリテーションです。
職場での関係調整は含みません。
4:× SST(Social Skills Training:社会生活技能訓練)は、ロールプレイなどで対人技能を練習する方法です。
本例のような職場訪問による継続支援とは異なります。
5:× WRAP(Wellness Recovery Action Plan:元気回復行動プラン)は、本人が自分の調子を保つための行動計画を作るものです。
就労先での支援を中心とするものではありません。
【ポイント】
IPSの原則は「本人の希望の重視」「迅速な求職活動」「継続的な職場での支援」「医療との連携」です。
訓練してから就職する従来型と違い、就職してから支援する点が要点です。