60歳の女性。
右中大脳動脈閉塞による脳梗塞。
左片麻痺や感覚障害は重度で、車椅子座位では頸部右回旋がみられる。
また、食事時にはしばしば左側の見落としがみられる。
机上での模写検査の結果を図に示す。
結果の解釈として最も適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
右中大脳動脈領域の梗塞で、頸部右回旋や食事時の左側の見落としがあり、左半側空間無視が疑われる症例です。
模写結果を見本と比べ、左側がどの程度描けているかから無視の程度を読み取ります。
図の模写では、花の右側の花びらは描かれていますが、左側の花びらがほとんど欠けています。
一方で、茎の左の葉や、地面の左端にある小さな草は描かれています。
【選択肢別解説】
1:× 模写検査は見本を見ながら写す課題で、記憶の保持を必要としません。
この結果から記憶障害を判断することはできません。
2:○ 用紙の左端にある草や茎の左の葉まで描けているので、左側への視線の探索は行われています。
花の左半分という対象の中での見落としはあるものの、左方への探索がみられると解釈できます。
3:× 患者は「見本と同じ絵を描く」という指示を理解し、花・茎・葉・地面を順序立てて描けています。
理解力の低下を示す所見ではありません。
4:× 花の左側の花びらが欠けており、左側の情報に注意を向けることに偏りがあります。
選択的注意が保たれているとはいえません。
5:× 重度の左半側空間無視では、用紙の左側全体が描かれないことが多いです。
本例は左端の草まで描けているので、重度とはいえません。
【ポイント】
半側空間無視の模写では、どの範囲が欠けるかで程度を推定します。
用紙全体の左側が欠ける場合と、個々の対象の左側だけが欠ける場合とを区別して読み取ります。